大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)467 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人寺井俊正、同神山隆文の上告理由第一点について。

論旨は、原判決がB一郎と表示したものと認めたいわゆる一郎票五二票を候補者

B永一郎に対する投票と判断したことは、経験則等に違反したもので、原判決には

理由不備の違法があると主張する。しかし、原判決は第三(一)(ハ)(1)ない

し(6)において諸般の事実を認定した上、これらの事実を総合して一郎票五二票

はすべてB候補の氏名または名を記載したものと判読することができ、B一郎その

人に投票したものとは認められないから、候補者B永一郎の有効投票となすべきで

あると判示しているのであつて、原判決の認定した事実関係に基けば、原判決が所

論投票をB永一郎の有効投票と解したことは首肯することができる。所論は、原判

決理由中の一部を分離摘出して非難攻撃するものであり、理由の一部には表現が適

切を欠き誤解を生じやすい点もないではないけれども、原判決の理由とするところ

を一貫して読めば、その趣旨を首肯することができるから、原判決には所論のよう

な違法は認められない。

同第二点について。

論旨は、B一郎なる人物が存在するにかかわらず、原判決が、選挙人は候補者に

投票する意思をもつて記載したものと推定したことをもつて法令解釈の違法かまた

は理由不備の違法があるというのである。しかし、原判決の趣旨は要するに、右の

実在人物が存在しても所論の投票はB永一郎に投票する意思をもつて記載されたも

のとの推定を破るに足りないものとしたことは明かであつて、原判決に所論のよう

な違法はない。

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同第三点について。

論旨は右の投票以外の投票の効力に関する原審の判断を非難するのである。しか

し原判決の判示は相当であつて、所論のような違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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